ネパール人の夫と暮らす香子です。母国を離れて日本で暮らす夫のためにスパイス料理を勉強し始め、今ではスパイスを使わない日がない毎日。スパイスは使ってみると料理の幅を広げてくれるだけでなく、なんだか健康度も上がりました。そこでスパイスの本を20冊読みあさり、Harvard Medical Schoolなどの専門サイトからも情報収集してみると、スパイスって実は生薬！ということで健康効果をご紹介しています。
クミンと並んで「スパイスカレー作りに必須！」と言われるスパイスですが、その香りは、エスニック！というよりはオレンジピールのような爽やかでほろ苦いものです。タイ料理の「パクチー」と同じ植物コリアンダーの種子をスパイスとして使います。
当記事ではインドはその周辺の国や中東料理では定番のコリアンダーの基本情報と簡単に使えるレシピをいくつかご紹介します。
| 科目 | セリ科 |
|---|---|
| 原産地 | 地中海地方 |
| 利用部位 | 種子（植物学上は果実）、葉・根・草 |
| 別名 | パクチー（タイ語）、ダニヤ（ネパール語） |
| 用途 | 温かみのある香りづけ |
| 相性のよいスパイス | カルダモン、クローブ、ナツメグなど甘い香りのスパイス、クミン、煮た香りのオレンジピール |
| 代替できるスパイス | キャラウエイシード、フェンネルシード、クミンシードなど |
香りの特徴
パクチーは「カメムシの臭いに似ている」なんて言われてしまうクセのある香りでますが、種子を使うスパイスの方は全く違う香りです。
柑橘系の甘い香りとほろ苦さ、そしてナッツのような香ばしさも少しあります。
このオレンジピールのような風味はクミンと合わせて使われることが多いです。
ホールかパウダーか
スパイスに使われる種子は、直径3～4㎜の丸みのある楕円形で、表面に筋が入っています。
完熟した種子を乾燥させたホールタイプと粉状にしたパウダータイプいずれも流通しています。種子は柔らかくいので、砕きやすいので、簡単にパウダーにすることができます。
コリアンダーの健康効果
コリアンダーはAEGの蓄積を抑制する働きによって、シワやシミを防ぐ効能も期待できるなんて言われるうれしいスパイスです。
次のような効果があると言われています。更年期を迎える女性や中高年全般にうれしい効果ばかりです！
- UVから肌を守り、美肌効能
- 片頭痛など痛みの軽減に
- 万病のもと高血糖を防ぐ
- 抗酸化作用で免疫を高めたり、ガンを抑制する可能性がある
- 糖化（AEG）を防ぐ
- 脳の機能を保護する
コリアンダーシードの手軽でおいしい使い方
コリアンダーは単独でも使えますが、特にクミンと合わせて使われることが多いです。
クミンと合わせて使う
本格的スパイスカレー作りには必ずといって登場しますが、「とろみをつけるために入れる」という説明を見かけますが、どちらかというと他のスパイスと使ってもバランスを崩さない、まとめ役みたいなスパイスの位置づけです。
また、クミンと合わせて使うとコリアンダーの柑橘香味を引き立ててくれます。
この場合コリアンダーをすり鉢で擦って、自家製パウダーにして使うことをおススメします。
フローラルな香りを使うときは乾煎りしないホールを
コリアンダーのフローラルな風味を楽しむなら、種子の奥の方にある精油成分を引き出すため、ホールをすり鉢で擦って使います。このときは、乾煎りなどせず、そのままをクラッシュして使います。
または、つぶさずにそのまま使うとプチっとした食感も楽しめます。
例えば茹でたジャガイモを使ったサモサやコロッケなど柔らかい料理に一緒に入れると、プチプチっと楽しく、また噛んだときにほのかに柑橘系の香りがして風味に変化をつけることができます。
この写真ではチキンのスパイシーグリルの中断でコリアンダーのホールを投入し、強いスパイシーな味の中に、ときどき爽やかな芳香を楽しみました。
乾煎りするとナッツのように香ばしくなる
コリアンダーをしっかり乾煎りすると香ばしいナッツのような温かみのある甘い香りが強く出てきます。
乾煎りの方法
鍋を中火で温めたら、油は入れずにコリアンダーシードを炒れて、鍋を揺らしながら焙煎します。1、2分で香りがたってきたら完了。色がブラウンになります。
パウダーにするときは、火を止めて粗熱が取れたらすり鉢で擦ります。
自家製シーズニングに
コリアンダーシードは他のスパイスと合わせて使うと全体をまるっとまとめてくれます。
例えば、粗挽き黒コショウ＋コリアンダーパウダーを混ぜて、オリーブオイルとビネガーに入れてドレッシングにしたり、マヨネーズに混ぜてゆで卵のディップするとおいしいですよ。
甘いフルーツや菓子作りに
甘みのある香りを生かして、乾煎りして粗すりしたコリアンダーシードを、モモやナシなどの果物に振りかけてもよいです。
焼き菓子の生地に（バターとなじませ役）
揚げ菓子やクッキー、パンなどにも使えます。
生地作りの小麦粉のとバターを混ぜ合わせるとき、コリアンダーパウダーを入れるとスムーズにできるということで、プロのコツとして紹介されています。参考 tasty table
スープに
コリアンダーはクセがないので、”THE エスニック”にならずに料理をスパイスアップすることができます。
普段作っている野菜スープなどにコリアンダーパウダーを入れてみてください。できれば水を入れる前がベターですが、先に乾煎りしていれば水を入れた後でも大丈夫。
手早くコリアンダーティーに
アーユルヴェーダではコリアンダーは体温を下げる生薬と考えられていて、夏の熱中症対策や女性の更年期のホットフラッシュ対策でコリアンダーのエキスが効果があるとされています。
そこでコリアンダーのエッセンスを効率的に摂ることができるのがコリアンダーウォーターです。ハーブティのようにコリアンダーを使う方法になります。
【材料】
コリアンダーシード…大さじ1
水…コップ1杯分
鍋に水を入れて、コリアンダーシードも入れて火にかけます。
沸騰させて、色がついてきたら完了です。茶こしなどでコリアンダーシードをフィルタしたものを飲みます。
スパイスカレーではクミンの代わりに
スパイスカレーのレシピでは、コリアンダーはクミンと代替が効きます。クミンの方が香りが強いですがカレーであれば問題ありません。ただし、クミンの半分くらいの量がおススメです。
あとがき
葉っぱはとても癖があるのに種子は意外なほどにまろやかなスパイス。手でプチプチと潰せちゃうくらい柔らかい種子ですので、ぜひ、市販パウダーでなく、ホールのコリアンダーシードを使うことをおススメします。
それでは、また！
