地中海の方の料理によく登場するハーブローレル。お料理をしたことない人でも聞いたことがあるハーブスパイスかと思います。
一方でローリエもありますよね。ベイリーフってのも聞いたことありませんか?それぞれ全部同じなのでしょうか・・・?ちなみに日本語では「月桂樹」と呼ばれます。
言語による違い
ベイリーフ
ベイリーフという呼び名はご存じですか?まずこれ、英語の呼称です。
Britannicaによれば
ベイリーフは、ローレルリーフとも呼ばれ、sweet bay treeの葉。
sweet bay treeは、アロマのあるいくつかの樹木を指し、特にbay laurelやsweet bay(引用:Britannica)
アロマ、つまり香りがある樹木の汎用的な名称なんですね。
ローレルとローリエ
かたや、料理本などによく登場するのはローリエでしょうか?
ローレルとローリエ、似てるけど微妙に違うこの二つは、言語の違い。
呼称まとめ
ベイリーフ、ローリエ、ローレルはすべて言語の違いだったんですね。
結局はいずれも常緑樹のクスノキ科の木の葉っぱです。日本語ではいずれも月桂樹(学名Laurus nobilis)に当たります。
なのですが、次にご紹介するように産地の違いがあるのとともに「ベイリーフ」だけはちょっと気を付けた方がよいことがあります。
産地による違い
地中海産(トルコ産)
これがローレル、ローリエの原産ですね。地中海産は、少しメンソールのフレーバーもあるお茶のような香りを持ちます。それは香り成分のシオネールの割合が高いため。
シオネールが多いほど上質とされます。
形状は、他と同じ細長い葉っぱであるものの、少し丸みを帯びています。
カリフォルニア産
このアメリカ産は、一般的にリナロールという成分の方がシネオールより多く、強く華やかな清涼感と苦味があります。
形状は地中海産よりもさらに細いです。
インド産”ベイリーフ”または”カシアリーフ”
買うときに気をつけたいのがこれ。スーパーなどに流通しているベイリーフはローレルやローリエの仲間だと思いますが、「東京のリトルカトマンズ」新大久保などで購入するときはご注意を!
インド原産。料理に使われますが、もともとは香水に使われてたそうです。そして植物的にはカシア(シナモン)の葉っぱです。
そう、シナモンツリー(シナモン自体はその樹皮)ですから、当然、香りもシナモン要素があります。なので、ローレルやローリエの代替に使うことはできません。
ローレル/ローリエとインディアンベイリーフの見分け方
ローレルとローリエとは、一線を画す”インディアンベイリーフ”。香りも違うんだったら、ちゃんと判別できるようにならねば!ということで見分け方をご紹介します。
それは葉脈の入り方です。
これがインディアンベイリーフ。葉脈、縦にだけ入ってます。
ローレル/ローリエの方は、横にも出てますね。
インディアンベイリーフの使い方
インディアンベイリーフの方は、スパイスカレーを作るときのスタータースパイスとしてよく登場します。油を温めて唐辛子やクミンなどと一緒に温めて香りを引き出します。
ローレルやローリエは、煮込み料理に使うけど長時間煮込むと苦味が出てくるので途中で取り出しますが、インディアンベイリーフはスタータースパイスの一つで取り出すことはありません。
あとがき
上に挙げたほか、インドネシア産、メキシコ産も海外では使われているようです。インディアンベイリーフには注意しないとな…。新大久保で買ったもの、危うくパスタソースに使おうとしてました(まあ、使ったら使ったで別の味わいになると思うけど)
今回調べるにあたり「ベイリーフ」(BayLeaf)の語源も調べたのですが情報に行き当たらず…ただ、カリフォルニアはアメリカの海沿いの州。ということからベイエリア(BayArea)なので、ベイリーフなんでしょうかね。
ということで、それではまた!
参考)MasterClass