あまりスパイスを使わない人でも、ローリエは知っているのではないでしょうか?
ミートソースのレシピなどにも登場していませんか?「入れる意味あるのかな・・・?」と思いながら使っている人もいるのではないでしょうか。
大丈夫!1枚入れるだけで実は大きな働きをしています。
科名 | クスノキ科ゲッケイジュ属 |
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原産地 | 西アジア、ヨーロッパ南部 |
利用部位 | 葉 |
別名 | 月桂樹、ベイリーフ、 |
用途 | 臭いけし+上品な香りづけ |
特に合う食材 | 肉、魚 |
特徴
すがすがしい清涼感のある香り
すがすがしい香りと苦味を持つスパイスです。オレガノやタイムに似た香り、どこかユーカリやしょうのうにも似た清涼感です。
その清涼感は、カルダモンにも含まれるシオネールという成分によるものです。一般的には精油の50%程度を占めています。他にもシナモンの甘い香り成分のオイゲノール、リナロール、パルテノリドも含んでいます。産地などによって、成分の構成が変わり、香りも違ってきます。
肉類や魚介類の生臭さをやわらげる臭いけしの働きをしたうえ、上品な香りづけもしてくれます。
ローリエとローレル、ベイリーブス
ローリエ、ローレル、ベイリーブス、月桂樹などいろいろな名前を耳にすると思います。
それぞれ基本的には同じものを指しています。
ローリエはフランス語、ローレルはスペイン語。英語ではベイリーブスと呼ばれます。
なお、インディアンベイリーフについては呼称の違いだけでないので、ご注意を。
歴史~栄光のシンボル
古代ギリシャ・ローマ時代から栄光と英知のシンボルとされていました。
古代オリンピックの時代から勝利者に冠として与えられていたのは誰もが知ることかと思います。
すがすがしい香りは厄除けの効果があると信じられていました。皇帝ネロはペストが流行したときローリエの樹園に身を隠していたという逸話もあります。
形状~地中海とそれ以外での違い
産地によって形状がちょっと違います。アメリカ産は細長めで、ヨーロッパ、主には地中海産は丸みのある葉っぱ。
使い方のコツ・お料理例
ローリエをご存じの方は、地中海地方料理のイメージが強いのではないでしょうか。葉っぱのままのホールとパウダーとが流通しています。一般的にパウダーの方が苦味が強いです。
パウダータイプ | 特に臭いけしの効果が大きいので、レバーなど内臓肉などに向いていて、肉にすり込んで使われます。 |
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ホールタイプ | シチューやポトフなどの煮込みに使われる他、ピクルス、マリネなどのつけ汁使われます。ひき肉を炒めるときは、肉の臭いけしにホールを使うのもよいです。 |
最近はお庭に植えているお宅も多いようで、その場合はフレッシュでも使うことができますね。ただ、ドライハーブの方が香りが強く出ます。
ホールはちぎって使うこと
ホールのローリエは使い方にコツがあります。
- 葉っぱの表面は固くて中に含まれている精油成分が出てきづらいですので、ちぎって切れ目を入れたり、軽くもんだりしてから調理に使います。
- 長く煮込んでいると苦味が目立ってきます。煮あがったら取り出すのがベターです。
肉や魚の料理では臭いけしに
肉類や魚介類の生臭さをやわらげる臭いけしの働きをし、味に深みも出してくれます。ミートソースやロールキャベツなどの煮込み料理にも使われます。
クリームシチューなど市販のスープの素やルゥーを使うような煮込み料理の時に、ホールタイプのローリエを入れると効果的に味に深みを出してくれます。
魚のマリネなどのつけ汁にも使えば、上品な味に仕上がります。タイムやペパーなど他のスパイスと一緒につけ汁に入れます。
野菜料理にも
肉以外でも、野菜のピクルスをつけるときに一緒に付け込みます。またフランスの煮込み料理のラタトゥイユに使えば野菜だけでも深い味わいになります。
ご飯と一緒に炊きこんでも
カレーに添えるご飯や、ピラフなどにを作るときのご飯を炊くときにローリエの香りを添えます。
ご飯を炊くときに、少しちぎったローリエを1枚いれてみてください。
甘いものやドリンクにも
実はホットミルクや紅茶を入れるときにホールのローリエを入れると、清涼感が加わり、いつもとは一味違う味わいになります。
チャイを作るときに入れても、意外な組み合わせですが、上品な香りを出してくれますよ。
虫よけに
お料理用途ではないですが、ローリエは虫よけ効果があります。
月桂樹を米びつの中に入れたりするのってお祖母ちゃんの知恵袋的に昔から言われてますよね。パルテノリドやリナロールなどは虫が嫌がる香りと言われてます。
あとがき
肉料理だけに使うかと思いきや甘いものなどにも使うことができるローリエ。
いろいろと試してお気に入りの使い方を見つけていくと、お料理の幅が広がりそうです。
それでは、また!