「薬膳カレー」を出すレストラン増えてきていますが、「薬膳」というと専門のお店でないと食べられないイメージがありませんか?
でも、薬膳は特別なものではなく身近な食材でできます。その中には身近なスパイス&ハーブもあります。それらは漢方薬、つまり薬として扱われているんです。なので、わざわざレストランに行かなくても、自分なりの「薬膳カレー」は自分で作ることができますよ!
この記事では薬膳の考え方と、漢方薬として扱われているスパイス例をご紹介していきます。
薬膳は自分の体調・体質にあった食事のこと
最近、病院やクリニックなど西洋医学を基本としている医療現場で、東洋医学(日本では漢方薬)を取り入れた治療が注目されているそうです。
西洋医学と東洋医学との大きな違い:
西洋医学では一つの病気に対して同じ治療を施し、東洋医学ではヒトそれぞれの体質に合わせて症状を改善していく考え方を持つことです。
例えば「花粉症なんです」というと「アレグラかアレロックを出しましょう」と処方されるのが西洋医学。東洋医学では、「皮膚にも症状は出ますか?手足が冷えませんか?耳垢は乾燥してるタイプですか?」などと、体質を探るようなことも確認されます。
このブログのタイトルにも使わせていただいている「医食同源」という言葉は、他の機会にも耳にしたことがある方は少なくないと思います。
医食同源は伝統医学の基本の考え方になってます。例えば漢方では、植物や動物、昆虫などまでも薬として使われます。つまり自然の天然もの。
漢方医療では、カラダを温める、冷やす、循環といった西洋医学とは異なるアプローチを行います。その体系の中は食べ物も当てはまるとされています。例えば、「玉ねぎは気の循環を良くするので、こうこうこういう体質の人がこういう体調の時に摂る」という感じです。
この考え方を食事のレシピに反映するのが薬膳です。
ヒトそれぞれの体調、症状、季節なども考慮して作られます。
漢方でよく使われるスパイス
薬膳の基本は2,000年以上も前に作られた中国最古の薬学書『神農本草経』にあります。
300以上の食材が記載されていて、それぞれの特性を考慮しながら調理していくようになっるそうです。
薬膳で使われる食材は特別なものではなく身近にある野菜や果物、肉、魚です。そして「スパイスやハーブも含まれています。ここでは、薬膳に使われるスパイスをご紹介します。
(リンク先はそれぞれの健康効果詳細に飛びます)
スパイス名 | 漢方薬名:期待できる作用など |
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ガーリック | 大蒜(ニンニク):カラダを温め冷えを改善し、胃も温めます。 |
クローブ | 丁子(ちょうじ):お腹を温め胃腸の働き改善。 |
シナモン | 桂皮:下半身を温め足腰や月経痛を緩和。 |
ペパー | 胡椒:カラダを温め胃腸の働きを高める。 |
ジンジャー | 生姜:カラダを温め発汗を促し解熱、吐き気を抑える。 |
カルダモン | 小豆蔲(ショウズク):気の循環を良くして胃腸をすっきり。 |
マスタード | 辛子:肺を温めて痰やセキをおさえる。 |
ウコン | ターメリック:気や血の循環を促し鎮痛。 |
チリペパー | 唐辛子:カラダを温め胃液分泌して消化改善。 |
フェンネル | 茴香(ういきょう):カラダを温め胃痛や腹痛を改善。 |
スターアニス | 八角:カラダを温め冷えからくる痛み改善。 |
ナツメグ | 肉豆蔲(ニクズク):カラダを温め冷えからくる腹痛を改善。 |
バランスのとれた食事が大事
「スパイスカレーはじゃあ漢方なんだね!毎日食べれば健康になるのね!」と思った方がいたら、ちょっとお待ちください!
たしかにターメリックやクミンなどカレーに使われるスパイスは漢方で、先にご紹介したような効能、リンク先の科学的エビデンスとともに紹介している効能も期待できるかもしれませんし、薬膳のように食事と健康には強いつながりはあると考えられています。
でも、これは「長期間の食生活・食事習慣が健康に反映される」ということであって、特定の食事がカラダに作用することを保証しているものではありません。
「フードファディズム」という考え方があります。「食事や栄養が病気を治す」と過大に信じてしまうことを言います。極端な食の購買行動や摂食行動に走ってしまうことになって却って健康を害する例も報告されているそうです。
あとがき
「スパイスカレーを食べてれば健康!」などというキャッチフレーズなどを見ても、エビデンスなしに信じ込まずに、冷静に情報をとらえていくようにしたいですね。
当ブログでは、そのため健康効果の記事ではエビデンスのある情報のみを採用するようにしています。ただ、それもまだまだ研究中のものも多いです。最新の情報を皆さん自身でもチェックし、容易に情報に踊らされないように気をつけましょう!
それでは、また!