ショウガの健康効果についてご紹介しています。
スパイスカレーにも絶対に欠かせないショウガは、インドの伝統的なアーユルヴェーダ医療で中心的な役割を果たしていて、伝統医療の世界では古代から万能薬的存在。日本でもショウガを使った健康食品、多いですよね。科学的に立証されてきたカラダを温める作用や抗炎症作用など、健康にうれしいことが沢山のショウガ。成分に次のような特徴があります。
- ジンゲロール:食べたらすぐにあったかくなるのはこれ
- ショウガオール:カラダの芯から温めてくれるので長続きする。痛みを抑えてくれる効果もある。
- ジンゲロールは加熱するとショウガオールに変身する
栄養素
ビタミンC、B、ナイアシンなどのビタミン類だけでなく、鉄分、カルシウムなどのミネラル類も含む、栄養素が豊富な食べ物。
なかでもジンゲロールとショウガオールは、最近注目されていせる成分です。どのように注目できるかは次で見ていきます。
加熱するとポカポカ成分が増える
薬膳では乾姜(乾燥させたショウガ)は体を温め、胃腸を活発にして胃を健康にするとされています。アーユルヴェーダでも、ショウガは健胃、またカラダが温まり、血行が促されるので新陳代謝の改善や冷え性、風邪のひき始めなどにも良いとされます。
これは、ちゃんと科学的にも証明されてるんです。
科学的に証明されている驚くべきポカポカパワー!
例えば、永谷園がおこなった実験では、20人のヒトにショウガパウダー1g入りの味噌汁を1日2回、8週間飲んでもらったところ、4週目以降に明らかに基礎体温が上昇しました。ショウガの辛み成分ジンゲロールやショウガオールが体温を上げる作用を持っているのですね。
ただしそれぞれ特性が違います。仕組みを理解するとどのように摂取したらよいかがクリアになるので、まとめてみます。
【辛み成分の作用】
- ジンゲロール:末梢血管を拡張し血流を促進します。解熱作用や殺菌作用もある。
- ショウガオール:胃腸を刺激し、筋肉を動かす作用によってカラダの中で熱を作る作用があります。痛みの原因を抑制する働きがあり、関節痛などにも良いとされます
加熱がキー
ジンゲロールは血流を促して温めるので一時的。一方、ショウガオールは、カラダの中から発熱するので、芯から暖かく感じます。特記すべきは、ショウガオールの作用を効果的に摂取するためには加熱するべきということ。ジンゲロールは、加熱によってショウガオールに変化します。
ショウガオールはさらに新陳代謝を高める効果もあることから、脂肪燃焼を助けてダイエットにも効果が期待できますよ。基礎体温も高くなれば、風邪もひきにくくなるので、ショウガはスーパーフードと言えそうですね。
加熱は気長に!
ショウガオールの効果を引き出すには、80度以上で時間をかけて加熱することがコツです。日経ARIAによれば、1時間加熱で10~15%、3~4時間で40~50%増えるそうです。
暑い時はフレッシュのまま
加熱前の成分ジンゲロールには、解熱作用や殺菌作用もあり、風邪や免疫力アップに効果的だと言われています。また、解熱作用によって実はカラダを冷やします。
ですので、フレッシュなショウガを食べると、食べたときはカラダを温めますが、その後はだんだんとカラダが冷えていくので、夏などカラダを冷やしたいときに向いています。
ジンジャーエールは理にかなった夏の飲み物ですね。
消化を促進する
ショウガは先述の通り伝統医療でも健胃食品とされています。
ここではアーユルヴェーダのショウガの立ち位置についてご紹介します。まずは健胃!アーユルヴェーダでは体質によっておススメの食べ物が変わってきますが、ショウガは万能。
健康な胃のためのショウガ湯
新鮮なショウガを皮をむかずに使います。
沸騰させたお湯に大さじ1杯くらいの細切りにしたショウガを入れて、5分ほど浸したものを漉して飲みます。
これで消化力を強化していきます。もう一つアメリカのティーパック・チョプラのによる『パーフェクトヘルス』から一つショウガによる消化を助ける薬的なものをご紹介します。
胃の調子が悪い時のショウガ家庭薬
【材料】
下記の材料を混ぜてフタをして涼しい場所に保存しておきます。これを朝ごはんの前に少しだけ(小さじ1くらい)食べます。10日続けて食べます。
- 粉末のドライショウガ…大さじ1
- 黒砂糖…大さじ1
- ギー(精製したバター)…大さじ1
ダイエット(減量)に
ショウガは多くの健康効果を持ちますが、減量にも効果があるかもしれません。
動物、人間それぞれによる実験で、体重が減ったと報告されているものがあります。特に人間の、糖尿病の人たちでは腰回りのサイズがダウンしたという報告も。
糖尿病との関係は動物実験での方が多く出ているようです。
なお動物を使った実験では、ショウガ汁を継続的に摂取させたラットで、高脂肪のエサを食べていたとしても、体重が減ったことが確認されているものもあります。
老化の原因AGEsを抑える
肌や骨などの老化の元凶やさまざまな病気を引き起こすといわれるAGEs(終末糖化産物)は、たんぱく質に糖がくっついて劣化する「糖化」反応で体内で作られます。
このAGEsを抑えるパワーをショウガオールが持っていると考えらえています。
復習になりますがショウガオールは、加熱されるとショウガの辛味成分シンゲロールが変化してできる成分ですね。
参考)TBS
抗炎症・抗菌作用で痛み抑制
ジンゲロールなどのショウガの成分がもつ抗炎症作用のおかげで、筋肉や軟骨の炎症を抑制するので、関節炎や神経痛などの痛みを和らげます。肩こりや腰痛にも効果を発揮します。
ネパールでは喉が痛いときや咳が出るときは、ショウガ紅茶を飲みます。これは、ショウガの抗炎症作用によって喉の痛みが治まることを期待したものです。ショウガは殺菌効果もあるため、多くの場合の喉の痛みが菌によるものと考えれば、ショウガによって喉の痛みを抑える効果も期待できます。
そんなときの蜂蜜です!蜂蜜によって強いショウガの香りがソフトになります。蜂蜜にも抗菌作用があるので、菌にダブルパンチです。ある調査結果では、ショウガと蜂蜜を一緒に使うことで抗菌作用が強くなるとわかりました。
あとがき
秋から冬にかけては急に寒くなる日が増えてきますから、ショウガをうまく使っていきたいですね。また、わたしは個人的に胃が弱くて、、最近特にあまりよろしくないので、ショウガ家庭薬をさっそく実行したいと思います。
それでは、また!