ネパール人の夫と暮らす香子です。スパイスを日常的に摂るようになって料理の幅が広がっただけでなく、健康度も上がりました。その経験からスパイスついて健康効果を中心にご紹介しています!
「カレーをよく食べてるインドの人は髪の毛のないハゲの人はいない」なんて記事を見ることがありますが、もちろんハゲの人はいます。でも、確かに街を見ているとその割合は確かに低い(わたしの検証はネパールの方ですが)。
実はスパイスには育毛効果や脱毛予防が期待できるものがあり、それらはカレーに使われるスパイス。
この記事では、本格スパイスカレーで使われるスパイスのうち効果が科学的に検証されているものをご紹介しています。
なお、これからご紹介するスパイスを使ったレシピはこちら!
ニンニク
現時点ではまだ研究の途中と言えますが、ニンニクには髪の毛によい効果があることが確認されています。
まず生のニンニクは、ビタミンB6やC、マグネシウム、セレニウムなど栄養素を豊富に含んでいるんです。そして、これらは全部髪の毛や頭皮によいとされる成分です。
ニンニクはまた強い抗菌作用を持ちますが、これによって頭皮の健康を保つことができると期待できます。
頭皮の健康は髪の毛の健康ですから、大切なことですね。
ニンニクには守りの効果だけでなく、攻めの効果もありそうです。
ニンニクのもつ成分は、UVによる老化からケラチノサイト(角化細胞)を守ってくれます。ケラチノサイトは、端的には皮膚や髪の毛を作る細胞です。ケラチノサイトを増やすことができれば抜け毛防止や育毛が期待できます。
なお、一時的な抜け毛に対してもニンニクは効果がありそうです。
ある研究ではニンニクが円形脱毛症を改善することが確認されています。ニンニクを含むゲルを脱毛症の部分に塗布したところ、髪の毛が生えてきたというものですから驚きます。
ニンニクは口から食べるもののイメージがありますが、スパイスの国インドやネパールでは塗布するオイルに入れることも、結構普通。そこでここでは、思い切ってニンニクで作るヘアパックをご紹介します!
自家製ニンニクのヘアパック
【材料】
- ニンニク…8かけ
- ベースオイル…小さじ2
【作り方】
1、ニンニクをつぶします(フォークやブレンダーで)
2、鍋を弱火にかけてオイルとガーリックを入れて、香りが出てくるまでゆっくりニンニクをかけ混ぜながら温めます。
3、鍋を火からおろして粗熱を取ったら、漉し器などでオイルだけ取り出すようにしてボトルなどに容れます。
【使い方】
小さじ2のオイルをつかって、頭皮をマッサージします。ラップで頭をカバーしてからタオルで包み10~15分ほど置いたら、シャンプーで流します。
頻度は週に2回ほど。
参考)
Protective Effect of Garlic on Cellular Senescence in UVB-Exposed HaCaT Human Keratinocytes
Combination of topical garlic gel and betamethasone valerate cream
Oxidative stress in ageing of hair
The impact of oxidative stress on hair
フェヌグリーク
日本ではあまりなじみがないスパイス、フェヌグリークシード。インドやネパールの主に野菜を使った炒めモノには欠かせないスパイスですが、スパイスとだけでなく豆として食べる地方もインドにはあります。
というのも、フェヌグリークは栄養豊富。鉄分とタンパク質、フラボノイド、サポニンなどを豊富に含んでいて、こうした栄養素によって抗酸化作用と抗真菌作用があるとされます。抗酸化作用は抜け毛の原因となるストレス、抗真菌作用は頭皮の健康に効果が期待でき、総合して健康な髪の毛を育てると考えられます。
実際、人間を使った実験でもフェヌグリークシードが髪の毛によいことが確認されています!
53人の被験者に半年以上の間、毎日300㎎のフェヌグリークのエキスを摂取してもらいました。すると、80%に育毛の改善がみられました。別のラットを使った実験でも、フェヌグリークを含む精油を塗った部分の髪の毛が丈夫になったことが確認されています。
フェヌグリークシードは乾燥したりフケが出たりしている頭皮にも良い効果があることが考えられます。こうした頭皮の不健康は一時的にしても抜け毛につながるので、避けたいところです。
実際実験でも良好な結果が得られています。
小規模な実験ですが、11人が参加してフェヌグリーク精油を含むクリームを6週間塗布したところ、頭皮湿疹などを改善したそうですよ!
ターメリック
AGEsってご存じですか?終末糖化産物のことで、身体のさまざまな老化に関与する物質で最近注目が集まっています。活性酸素による酸化が「体のサビ」、糖化は「体のコゲ」とも呼ばれ「肌の老化を遅らせるためには抗AGEsを!」なんて言われてます。AGEがたまると、抜け毛や切れ毛、白髪が増えることが考えられます。
AGEsを溜めないことが、美しい髪の毛を保つコツですね!
さて、ターメリックですが、鮮やかな黄色をしていてご存じの通りカレーの色のスパイスです。この色を出しているのがクルクミンという成分。クルクミンは酸化に対抗する物質「ポリフェノール」の一種で、抗AGEs作用があると言われています。
一方、クルクミンは炎症作用も持ちます。そのため、ターメリックは皮膚炎を改善させるとも言われます。頭皮の健康は髪の毛の健康につながりますから、これも期待できるところです!
こちらの記事で紹介しているホームメイドのパックは、頭皮にも良いと言われていますのでお試しください。
参考)J-Global
シナモン
シナモンは日本では最も身近なスパイスの一つのではないでしょうか?そのシナモンには育毛効果があることがいくつかの研究で確認されています。
例えば動物を使った実験ではシナモンの精油によって、ラットの体毛が伸びたことが確認されています。シナモアルデヒドによって代謝や血行が促進されたことで育毛したと考えらえています。
一方で抜け毛にも良い効果が期待できます。
ある実験では高齢の被験者の抜け毛を減らしたことが確認されています。
また、シナモンがもつ抗真菌作用が皮膚疾患を引き起こす真菌に対して働いたことが確認されています。
マスタード
日本ではあまり見かけませんが、マスタードから作ったオイルはインドやネパールなどスパイス本国ではメジャーなオイルです。これがスカルプケアに良いという研究結果があります。
マスタードオイルはオメガ3脂肪酸が豊富。この栄養素は、脱毛や頭皮の乾燥に効果的なことが知られています。マスタードの抗菌、抗真菌作用でフケの原因を作る菌の繁殖を防いだり、頭皮湿疹を防ぐことなども期待できます。
マッサージオイルに混ぜて使うのがおススメです。
自家製オイルのマッサージ
【材料】
- マスタードオイル…小さじ2
- アーモンドオイル…小さじ2
- ホホバオイル…小さじ2
【作り方】
3つのオイルを混ぜます。
【使い方】
濡らした頭皮に、マスタードオイルをマッサージしながら塗りこみます。30分ほどおいたらお湯で流します。月に1回程度の頻度が目安です。
参考)healthline
マスタードオイルはもちろん料理にも使うことができ、口から入れても、髪の毛や頭皮に潤いを与えてくれると言われています。
参考)In vitro Antibacterial, Antifungal and GC-MS Analysis of seeds of Mustard Brown
Mustard Oil for Hair
あとがき
いかがでしたでしょう?男性でも女性でも髪の毛が美しいと見た目の印象って大きく違いますよね。あまり見た目ばかりにとらわれたくはないですが、できれば健康な髪の毛をキープしたいもの。
普段の食生活から気を付けていきたいものです。
それでは、また!