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ナツメグは小さじ2で中毒症状で幻覚を引き起こす!子供やペットがいる場合は特に注意

ブログご訪問ありがとうございます。スパイス香子です。ネパール人の夫と結婚して以来スパイスを使わない日がない生活を送るわたしからスパイス情報をお届けしております。

エッグノットなどに使われる甘い香りのナツメグというスパイスの中毒症状についてご紹介します。とても魅力的な香りなのでつい沢山使いたくなっちゃったり、見た目も可愛いのでホールスパイスはビンなどに入れて飾りたくなるスパイスですが、ちょっと注意が必要です。

 

ナツメグって何?

ナツメグの香りはウッディで濃厚な温かい香りが最初に来ます。そしてカルダモンのようなフローラルな香り、クローブに似た強い刺激も持っていて複雑な甘い香りです。

ナツメグはハンバーグやミートソースなどの肉料理に臭いけしとして利用されることはよく知られていますが、乳製品とほうれん草とも相性もよく、メースもデザートに利用されます。

嬉しい健康効果も沢山あるので、使ったことない方はぜひトライしてみてほしいスパイスの一つです。

【ナツメグ7つの効能】免疫アップや気分の落ち込みやアルツハイマーの改善などにもナツメグはウッディで濃厚な温かい香りのようでいて、カルダモンのようなフローラルな香り、クローブに似た強い刺激もあり、全体を表現すると…エキゾチックで甘い豊かな香りで、複雑な香りを持つスパイスす。 肉の臭み消しとして有名ですが、乳製品や卵を使った料理や果物を使ったデザートやドリンクにも向いています。 そのナツメグは健康効果がいろいろ期待されます。その一方で、摂りすぎには注意した方がよいスパイスです。特にお子さんがいる場合は注意が必要です。...

 

ナツメグを使いすぎると幻覚が起きる?

ナツメグの濃厚な香りは、ちょっとクセになるいい香りで、ついつい多めに使いたくなってしまうかもしれません。でも、それは注意が必要!実はナツメグは過剰に摂取すると幻覚を見たりすることがあるという報告があります。

こうした症状はナツメグの香りの主な成分ミリスチシンというフェニルプロペンによるもの。この成分のおかげでナツメグが健胃効果や肝障害抑制作用を持つ一方で、脳の中枢神経系に作用し、神経伝達物質のノルアドレナリンを強め、結果、心拍数を上げて交感神経系に作用するなどして、中毒症状を引き起こすと考えられています。

中毒症状は幻覚だけでなく、喉の渇き、眩暈や吐き気などを引き起こすこともあります。

 

中毒症状は、ナツメグの摂取から数時間内に起きて、長ければ10時間も続くこともあることが事例からわかっています。

 

ナツメグ・ハイの歴史

実はナツメグによる幻覚症状は「ナツメグ・ハイ」と呼ばれます。そしてドラッグのようにナツメグを摂取する若者が一定数いるようです。

アメリカの話ですが、Illinois Poison Centerという中毒症状を起こした人たちを支援しているNPOには、2001年から2011年の10年でナツメグによる中毒例が32人から報告されています。うち50%近くの15人は意図的な過剰摂取だったそうです。つまり、ハイになる目的でナツメグを摂ったってことですね。

ナツメグの乱用は現代に限ったことではなく、むしろ中世に始まっています。13世紀頃までは13世紀の中世ヨーロッパではナツメグパウダーをお酒に混ぜて「ナツメグハイ」を楽しむのが上流階級では流行っていました。

 

ナツメグ・メースの安全な利用量は小さじ1以下

それでは、ナツメグ中毒にならないよう摂取量はどのくらいでしょう?

薬と同じで体格や体質によって副反応は違ってくるので確定的な量は発表されていませんが、どのくらいで中毒症状が起きているかから安全な範囲は一つまみ程度と考えられます。

先述のIllinois Poison Centerによれば、10g(約小さじ2杯)でさえ、中毒症状を起こすのに十分と考えられています。50g以上もの用量では症状はさらに深刻になります。

  • 37歳の女性が小さじ2のナツメグを使った後、酩酊状態になりました。目まい、意識朦朧、錯乱症状もあったそうです。
  • 50gのナツメグを摂った18歳の女性が吐き気やめまい、動悸、口の渇きなどの症状に襲われた例もあります。

症状はナツメグを摂ってから数時間以内におきて、10時間もの間続いたそうです。

参考)NCBI

ですので、通常の料理でレシピに従って作る場合は、問題はないと考えられます。

一般的にレシピの多くはナツメグを小さじ1/4から1/2で提示されており、レシピは2人~4人分などなので、一人当たりが摂るのはほんの少しの量になりますからね。

ネズリー
ネズリー
ですが、間違ってバサッと入れてしまったとか、一人当たりが小さじ1を超える量にもなりそうなのであれば、危険が伴うということになりますね。

参考)healthline

 

子どもやペットがいる方はナツメグ取り扱い注意

レシピの例を先にご紹介しましたが、食事でとるだけでなく、誤ってナツメグパウダーを直接口から入れてしまったり、鼻から吸ってしまうことに気を付けた方がよさそうです。

よくアメリカのギャング映画などで、ドラッグを鼻から吸いこむシーンがありますが…あれって、ダイレクトにドラッグを脳に届けるためですよね。
ナツメグも鼻から吸い込んでしまえば、脳に直接作用する可能性があり、そうなってくると先に出した量よりも少なくても危険度が増すことも考えられそうです。

なので、お子さんやペットがいる場合はパウダーに手が届かないようにしておくのがよいでしょう!子どもがナツメグを過剰摂取すると、大人よりも深刻な中毒症状が起きえます。

死に至った例も起きています。アメリカでの報告では1件ですが、8歳の男の子がナツメグ2個分を食べたところ、24時間以内に亡くなったそうです。

参考)UNODC

 

あとがき

ナツメグは危険な量を使わなければ、ウッディで甘い香りが優雅な気持ちにさせてくれ、デザートなどにも活躍するスパイスです。乾煎りしてシナモンと混ぜてバニラアイスなんかに乗せると、コンビニアイスもバージョンアップしますよ!

間違って沢山摂らないようにだけして、香りを楽しんでください。

それでは、また!