ネパール人の夫と暮らす香子です。母国を離れて日本で暮らす夫のためにスパイス料理を勉強し始め、今ではスパイスを使わない日がない毎日。スパイスは使ってみると料理の幅を広げてくれるだけでなく、なんだか健康度も上がりますよ。もっとスパイスを使ってみてほしいです!
アジョワンは、日本人にとってはまるで馴染みのない存在かと思います。インド原産のアジョワンは、インドやその周辺の国ではとてもメジャーなスパイスで、家庭で作られるパンの「チャパティ」や「パラタ」の記事に使われることが多いです。もちろん、カレーや炒めものにも使えます。最初はちょっと薬臭い!と思うと思うんですが、調理方法や組み合わせをマスターして、ぜひ使ってみてほしいスパイスの一つ。思いがけず、レシピを広げてくれます!
この記事では、知られざるアジョワンの特徴や留意点、健康効果、日常に気軽に取り入れることのできる使い方をご紹介します!
科名 | セリ科 |
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原産地 | インド、イラン |
利用部位 | 種子 |
別名 | アジョワイン、カロム、ワイルドセロリシード |
用途 | さわやかな香りづけ |
アジョワンの代替 | ドライ・タイムやマイルドなドライ・オレガノ |
香りの特徴
書籍などでは「タイムと似た香り」と表現されることもありますが、わたしはアジョワンの香りを初めて嗅ったとき「うわ!薬箱!」と思いました。ちょっと薬臭いんですよね。
タイムなど一部のハーブが同じ精油成分チムールによって、清涼感のある香りが作られていますが、これが薬臭さに通じているのではないかと思います。
口に含んでみると、ほのかな苦味とペッパーのようなピリッとした刺激があります。
形状の特徴
クミンやフェンネルと同じセリ科で、楕円形の形も似てて、よく見ると白い縦筋が入っています。
セロリシードより少し大きいですが、他のセリ科に比べれば小粒。2㎜くらいでしょうか…そのためホールのまま使っても口当たり悪くなりません。
アジョワンの健康効果
タイムやオレガノにも含まれる抗酸化作用や殺菌作用のあるカルバクロールやチモールを、アジョワンも含んでいます。そのためインドの伝統医療「アーユルヴェーダ」では生薬として使われてきた歴史のあるスパイスです。
- 酸化作用の抑制
- 消化不良やガスだまり、潰瘍の改善
- 抗菌作用で食中毒の予防
- 咳や痰を抑える(薬よりも効く?)
- 歯痛や関節痛の鎮痛
- 血圧抑制
手軽でおいしいアジョワンの使い方
アジョワンはインドやその周辺国の料理によく使われます。
とはいえ、誰もが頻繁にエスニック料理作るわけではないと思いますので、簡単に普段の料理に取り入れる方法をご紹介します。
野菜炒めや卵料理などのスタータースパイスとして
「テンパリング」ってご存じの方も最近は多いのではないでしょうか。具材を入れる前に調理で使う油にスパイスの香りを移す作業です。
よく「ネギオイル」とか「ニンニクオイル」は出来合いのものが売ってますが、同じことですね。違いは作り置きせず、調理直前にすること。その方がやっぱり新鮮で良い香りです。
スパイスカレーで有名になっているクミンもスタータースパイスで、テンパリングでよく登場します。アジョワンも同じ要領でテンパリングして使うことができます。
テンパリングした油は、野菜炒めや、卵料理にも使えますよ!料理全体にアクセントを加えてくれます。クミンなども同じように使えますが、もう少し大人の味に仕上がります。特に、卵はアジョワンのパンチの効いた香りを抑えるのでおススメです。
魚や肉の臭いけしに
アジョワンはセリ科ですが、セリ科のスパイスには先述のクミンの他、キャラウエイ、フェンネルなどがありますが、いずれも臭いけしの効果があります。アジョワンも同じで、魚や肉の臭いを抑えてくれます。
例えば、鶏肉にニンニクなどと一緒に揉みこんでグリルするだけでも、本場感がハンパありません!(興奮!)
パンやクッキーに大人の香りづけに
アジョワンはインドやその周辺国では、家で作るパン、チャパティーの生地によく使われます。加熱されたアジョワンは、良い香りを出すので、いつもと違うベーカリーに挑戦したいときは、小さじ1/2程度のアジョワンを生地作りに入れてみてください。
健康スパイスティーに
アジョワンは胃腸の働きを高める効果があることが、いくつかの実験で報告されています。
その作用を直接取り入れるには、煎じて飲むのが一番!ということでレシピをご紹介します。
【健康スパイススープレシピ】
- クミンシード 小さじ1
- アジョワンシード 小さじ1
- オリーブオイル…大さじ1
- ニンニク…すりおろし 小さじ1/2
- ショウガ…すりおろし 小さじ1/2
クミンとアジョワンを黒くなるまでオリーブ油で加熱したら火を弱めて、ニンニクとショウガを入れてよくかき混ぜながらブラウンになるまで炒めます。火を止めてターメリックを投入してかき混ぜます。同じ鍋に水600㏄を加えて再び火を点けて、煮立たせたら塩を入れて完成!
あとがき
最初は薬っぽい香りでぎょっとしたアジョワンも、今ではわたしのお気に入りスパイスNo5に入ります。なんだか香りがクセになるんですよね。上で紹介した鶏肉のグリルは本当においしいので、ぜひ試してみてください!
それでは、また!