ネパール人の夫と暮らす香子です。母国を離れて日本で暮らす夫のためにスパイス料理を勉強し始め、今ではスパイスを使わない日がない毎日。そこでスパイスについて健康効果を中心にご紹介しています。
アジョワンシードは日本ではあまり知られてませんが、インドやネパールではメジャーなスパイスです。特にナンやロティといった小麦粉を使ったベーカリー系に使われます。
少し苦味があり、薬っぽいのが香りの特徴。ただ、この香りがなんだかクセになるおいしさです。加えて、栄養価も高く、繊維質に富み、抗酸化・抗菌物質や数種のビタミン、ミネラルが豊富です。
この記事では、アジョワンの健康効果をご紹介します!
エイジングケアに効く抗酸化作用
抗酸化物質は活性酸素を取り除き、酸化の働きを抑える物質。さまざまな病気の元になることが考えられる酸化を抑える大事な役割をしてくれます。体内で生成されるものと、外から取り入れることのできるものがあります。外から取り入れることができるのは、ポリフェノールとカロテノイド。
アジョワンが含む成分にも抗酸化作用が確認されています。
タイムやオレガノにも含まれるカルバクロールという成分がアジョワンにも含まれていて、これは抗酸化物質。
参考)NCBI
消化不良やガスだまり、潰瘍の改善
アジョワンはインドやネパールの民間医療アーユルヴェーダでは消化力アップの薬として使われてきたスパイスです。
いくつかの実験でアジョワンのエンザイム(酵素)が消化を促し、膨満感や胸やけ、胃痛、ガス溜まりなどの症状に効いた報告されていて、さらに動物を使った実験で消化器の潰瘍を改善した結果が得られたものもあるんですよ。
なんだか胃が持たれた時に消化機器系の不調改善、便秘、下痢などの不快感を緩和するクミンと合わせた本場レシピで試したところ、すっきりしました。
【胸やけ向けレシピ】
- クミンシード 小さじ1
- アジョワンシード 小さじ1
- ショウガパウダー 小さじ1/2(なければフレッシュでも)
水600㏄に全部加えて、煮立たせたら完成!
抗菌作用で食中毒の予防
アジョワンの含むチモールは非常に優れた殺菌作用を持っていて、菌やカビの繁殖を妨げることが確認されており、これは、サルモネラ菌や大腸菌などに対しても有効ですので、食中毒の予防に効果が期待できます。
参考)PubMed
咳や痰を抑える(薬よりも効く?)
アジョワンの含むチモールの殺菌作用が、苦しい咳や痰に効果があります。
驚くのは、なんと一般的な咳止め成分として使われるコデインよりも咳を抑えたことが確認された実験報告があるくらいです。他の実験でも、咳を抑えたことが確認されており、喘息などの気管支疾患にも効果を発揮します。
【風邪をひいた時や咳が出るときレシピ(ネパールのおばあちゃんの知恵袋的レシピ】
- アジョワンシード 小さじ1~
フライパンなどで乾煎りし、すり鉢で軽く砕いたアジョワンシードを1日に一つまみくらい口に含んで噛みます。これを1日に2~3回。
歯痛や関節痛の鎮痛
アジョワンの優れた抗酸化・抗菌作用は関節の痛みに効果が期待できます。
たとえば、一握りのアジョワンお風呂(アジョワン風呂)に入れるか、温かいお湯にアジョワンを入れて痛みのある関節を10分ほど浸けます。
また、口に含んでも殺菌作用が期待でき、歯が痛むときに、効き目が期待できます。
参考)WebMD
血圧を下げる
カルシウム不足が骨の形成に問題を起こすことは知られていますが、高血圧や動脈硬化などの原因となっていることは、あまり知られていません。
実はカルシウム不足は、血液中のカルシウム濃度を上昇させます。
一見、カラダに良いようにも聞こえるけど、最終的には、血液中に増えたカルシウムは血管壁に取り込まれます。すると血液壁が収縮し、血液の流れが悪くなってしまいます。そして血液が上昇し、高血圧になります。
アジョワンは血管にカルシウムが入り込むことを防ぐことが、動物を使った実験で確認されています。
参考)NCBI
あとがき
あまりなじみのないアジョワンシードには実はいいことがいっぱいでした。文中でも関節痛には「アジョワン風呂」をおススメしましたが、馴染みのないこのスパイスを取り入れる方法としては、文中でもご紹介したアジョワンティーが簡単でおススメです。
それでは、また!