コリアンダーの健康効果についてご紹介します。
葉、茎、根は独特な強い香りを持つパクチーと呼ばれ、種はコリアンダーシードとして癖のない甘い香りが幅広い料理に使われます。実は約7,000年も前から利用されてきたスパイスで、中国では紀元前から不老不死の効果があるとされてました。
現代においても、多くの効能が科学的に研究されています。特に女性にうれしい効能と、中高年にうれしい効能にまとめてご紹介します。
コリアンダーの香り
精油の60~70%をコリアンドロール(リナロール)という物質がの占めていて、アニスのような、レモンとセージをミックスしたような香りです。
コリアンダーの栄養分
鉄分、カルシウム、マグネシウムなどミネラルが豊富です。
また、ビタミンC含有量も多くコリアンダーシード100gのうち21㎎ほど含まれていおり、ビタミンB群も含んでいて立派な健康食。
女性にうれしい効能
UVから肌を守り、美肌効能
2015年の実験では、UV(B)に対してコリアンダーのが効果が期待される結果がえられており、UVから肌を守る作用の研究が進んでいます。
湿疹やピリピリしたり赤くなったりする症状を改善するという研究結果があります。防腐作用が菌の繁殖を抑え、ニキビの炎症を落ち着かせるとも言われており、肌の不調にも良い効果が期待できます。
また、後で述べる老化に関与すると言われるAEGs(終末糖化産物)の蓄積を抑制する働きによって、シワやシミを防ぐ効能も期待ができるというのだから、積極的に食べていきたいスパイスです。
片頭痛など痛みの軽減に
片頭痛に悩む女性は多いのではないでしょうか?
片頭痛は女性ホルモンと関係があると考えられているようで、生理前に頭痛を訴える女性も多くいます。そんな女性にお届けしたいのが、この情報。コリアンダーシードは片頭痛の薬のように効くかもしれません。
2015年のラットを使った研究では、コリアンダーシードの成分が、オピオイド(麻薬性鎮痛薬)によって痛みを抑える効果を持つことが確認されました。
頻繁に片頭痛に悩まされる68人の被験者による実験では、被験者を2つのグループに分けました。ひとつのグループでは頭痛薬に合わせて、1日に3回コリアンダーのシロップを摂取してもらい、もう一つのグループでは頭痛薬だけ取ってもらいました。1か月後、コリアンダーシロップも摂取していたグループの方が、痛みや頻度が減ったり、頭痛の起きる期間が短くなったことが分かりました。
過敏性腸症候群(IBS)
胃腸に病気など異常がないのに便秘や下痢を繰り返したり、お腹の不快な症状が続いている方はいませんか?これは女性ばかりの話ではないですが、最近若い女性に多いそうですよ。
それって過敏性腸症候群(IBS)と呼ばれます。
ゲップやおならがよく出たり、残便感があったり膨満感があるのも過敏性腸症候群の症状だそうです。
コリアンダーシードは、こうした症状を改善することが期待されます。
ある実験では過敏性腸症候群の症状のあるヒトたちに2か月にわたってコリアンダーエキスを毎日30滴摂ったところ、胃腸の不快感、膨満感などが明らかに軽減したそうです。
参考)pibMed
中高年にうれしい効能
万病のもと高血糖を防ぐ
高血糖状態が続けば、糖尿病だけでなく他の病気も引き起こす怖いもの。それで「高い血糖値は万病のもと」と呼ばれるんですよね。
実は、血糖値を下げる効果がコリアンダーシードにはあることが、動物実験で分かっています。血糖を減らす酵素を活性化し、血糖値を下げる効果があることが示唆されています。
これはラットを用いた研究ですが、肥満状態と高血糖のラットにコリアンダーのエキスを摂取させたところ、血糖値が下がったというもの。この効果は2型糖尿病の治療に用いられる薬「グリベンクラミド」に似た効果だったそうです。
参考)Hypoglycemic and hypolipidemic effects of Coriandrum sativum L. in Meriones shawi rats Effect of coriander seed (Coriandrum sativum L.)
抗酸化作用で免疫を高めたり、ガンを抑制する可能性がある
コリアンダーには抗酸化作用があり、細胞のダメージを防ぐことが分かっています。
その結果、免疫を高めたり、ガンを予防したりする可能性があるようです。2019年には動物を使った実験で、前立腺がん細胞を抑制すると考えられる動きが確認されました。
人間の乳がんに対しても、パクチー部分(コリアンダーの根、茎、葉)の成分に抗ガン作用が期待できるという実験結果も得られています。ただ、この結果は、まだまだ限定的と考えらえていて、さらなる研究が進められています。
参考)Evaluation of coriander spice as a functional food by using in vitro bioassays
糖化(AEGs)を防いで若返り?!
「糖化」は最近耳にする言葉。タンパク質が糖とくっついて劣化することを指します。結合する糖化反応で作られるのがAEGs(糖化最終生成物)。
AEGsの増加はタンパク質の機能が低下させ、いろいろな老化現象、健康リスクを引き起こします。シワやシミといった美肌の敵だけじゃなく、糖尿病、高血圧そしてガンや認知症骨粗しょう症などの原因となるんだそうです!
そんな恐ろしいAEGsですが、ラットを使った実験では、コリアンダーシードがAGEの蓄積を抑制した結果が得られています。
参考)NIKKEIヘルス
脳の機能を保護する
コリアンダーの抗酸化作用は、脳の炎症から起きる深刻な病気を防ぐことが考えられています。アルツハイマーやパーキンソン病などです。ラットを使った実験では、コリアンダーの成分が、アルツハイマーの治療につながるかもしれない、記憶力の改善を起こしたことが確認できています。
参考)Reversal of memory deficits by Coriandrum sativum leaves in mice
あとがき~コリアンダーティー
インドやネパールでは「ダイエットにいい」と言われて、コリアンダーティーを日常的に飲んでいる女性も多いようです。作り方はこちらに記載してます!ぜひ、お試しくださいませ。
それでは、また!