カルダモンについてご紹介します。
日本ではあまりなじみのないスパイスかもしれませんが、インド周辺国のスパイス料理や北欧、アラブと世界の多くの国で愛されるスパイスです。北欧にはバイキングによって伝えられ魚にワインに、パンケーキにと欠かせないスパイスとなりました。日本で流通しているホールタイプは緑色をしているグリーンカルダモンですが、インド方面ではブラックカルダモンも使われます。
科名 | ショウガ科 |
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原産地 | インド |
利用部位 | 完熟果実 |
別名 | ショウズク、スクメル |
用途 | 香りづけ・臭いけし |
相性のよいスパイス | クミン、キャラウエイ、コリアンダー、ターメリック、オールスパイス、ジンジャー、ペッパー |
カルダモンの代用 | ナツメグ、オールスパイス、シナモン |
カルダモンの香りの特徴
「香りの王様」と称される高貴な香りで、強い刺激もありつつ、ミントのような柑橘系のようなさわやかな香りもあり「花のような香り」とも例えられます。
「知らないな~」と思った方。実は身近なんですよ。日本のカレー粉に入っています。
- シネオールはショウノウのような香り
- テルピネオールはまるでライラックのような花の香り
産地や時期、保管状態によって2つの成分のバランスは変わり、それによって香りも変わります。
カルダモンの形の特徴
スパイスとして使われるのは、2~4mと背の高い植物の花が咲いた後の種です。
香りが強まる完熟直前に、実を収穫して日干しするなどして乾燥させたものです。
1㎝前後の楕円形の実は、皮(さや)をむくと、ゴマ粒ほどの種子がな12~20個入ってます。皮には香りはほとんどなく、種子に凝縮されています。
日本で一般に流通しているのは薄い緑色の「グリーンカルダモン」です。「ブラックカルダモン」もあり、グリーンカルダモンより少し大きく、香りは少しスモーキーで重いです。ガラムマサラに使われることが多いです。
よいカルダモンの見分け方
完熟した実の方がしっかりとした香りを持ちます。丸みがありふっくらとしたものが完熟した実のしるしです。
種が黒い方が香りも強い(完熟寸前)です。
ホールのカルダモンシードとパウダーどちらがよい?シードの使い方は?
カルダモンはホールタイプのシードと、パウダーが流通しています。パウダーの方が手軽なのは手軽ですが、正しく保存すればホールタイプの方がずっと長持ちします。
また、意外なくらい簡単に自分でパウダーにすることができます。
皮をむいて中にある種子を100均のすり鉢で擦るだけで自家製カルダモンパウダーのできあがり!ですよ!
また、擦らなくても次の2通りで料理に使えば香りがよく出ます。
- 皮に切れ込みを入れて使う:香りがでやすくなります
- 皮をむいて種を出してそのまま使う:きっちり香りが出ます
カルダモンの驚くべき健康効果
カルダモンの香り成分が持つ健康効果がたくさんあって驚いちゃいます。
カルダモンは実は「ショウズク(小豆蔲)」として、漢方の生薬の一つでもあり、スッとした芳香で、胃腸を整え消化を促進すると言われます。
カルダモンに期待できる健康効果
- 抗酸化・抗炎症作用
- 認知症予防の期待
- 高血圧を改善
- お口の健康
- リラックス効果
- 胆汁分泌を促進して消化改善でダイエット効果
カラダを冷やす効果もあることから、灼熱の中東では大切にされています。
手軽でおいしい使い方
本場のカレーを作るときは、スタータースパイスとして油でカルダモンシードを熱します。そんなではなく、他のスパイスとブレンドして使うことが多いです。
肉料理や魚料理に臭いけしとして
肉料理の下ごしらえにを取り入れるのがおススメです。ハンバーグやミートボールなどのひき肉料理に、パウダータイプかごく少量すり鉢で砕いた種子を隠し味程度に使います。
魚料理では、まぶしてムニエルにして使うと良いです。赤身でも白身でも合います。
乳製品(牛乳、ヨーグルト)のクセを和らげる
牛乳って独特のクセが苦手な方もいるのではないでしょうか?
カルダモンのさわやかな香りは乳製品のクセを和らげますよ!パウダータイプか、すり鉢で砕いた種子を牛乳に入れて2~3時間冷蔵庫で冷やしてアイスにするか、牛乳といっしょに茹でてもいいです。
ヨーグルトとも相性が良いです。パウダータイプか、すり鉢で砕いた種子を砂糖と混ぜて、ヨーグルトにふり掛けるのもよいですし、インドなどのヨーグルトデザート「スリカンド」もおススメです!
スイーツの香りづけに
カルダモンの華やかな香りは冷たいタイプのスイーツによく合います。わたしのおススメは人参を使ったハルワというデザート。
栄養価も高く、香りも高く‥‥エスニックなデザートです。スパイスカレーの後にいかがですか?
これは乳製品を使ったレシピの一つでもありますが、ライスプディングの香りづけにもカルダモンが活躍します。このレシピは、風邪をひいたりして食欲のない時におすすめですよ。
コーヒーやワインなどドリンクの香りづけに
アラブの国では「カフワー」と呼ばれるカルダモンコーヒーが客人のおもてなしの定番ですし、北欧ではクリスマスの定番のホット赤ワイン「グロッグ」に使われており、ドリンクに使うこともできます。
カルダモンコーヒーの作り方
カルダモンの種子を皮から出した、またはすり鉢で砕いた種子を入れて沸かしたお湯でコーヒーを淹れます。
- お湯…600cc
- カルダモン…3つ~
あとがき
カルダモンは少しばかり値段が高めで、高級スパイスですが、他のスパイスに変えられない良い香りです。健康にいいこともいっぱいありますので、ぜひトライしてみてください!
ではまた!