スパイスの基礎

スパイスはどうやって保存すべき?冷蔵庫も大丈夫?賞味期限は?

ネパール人の夫と暮らす香子です。母国を離れて日本で暮らす夫のためにスパイス料理を勉強し始め、今ではスパイスを使わない日がない毎日。スパイスは使ってみると料理の幅を広げてくれるだけでなく、なんだか健康度も上がりました。スパイスの良さをもっと知ってほしい!ということでスパイスについて、またその健康効果をご紹介しています。

この記事ではスパイスの保存について知っておくべきことをご紹介します。
「スパイス」と一言でいっても、フレッシュスパイスとドライスパイスで保存方法や賞味期限は大きく違ってきますので、それぞれでご説明します。上手に保存して、長くスパイスの香りを楽しんでください。

フレッシュ・スパイスの賞味期限、保存方法

フレッシュスパイスとは、生で使うスパイスのこと。シソやパクチー(コリアンダー葉)など。”ハーブ”とも呼ばれる類です。新鮮な香りを楽しむことができます。

賞味期限は長くて3日くらいが多い

新鮮な香りを楽しむことのできる賞味期間は、適度な温度で保存すれば下記のとおりです。(『スパイス&ハーブ事典』より一部引用)

7日程度 7~10℃ タイム、レモングラス、ローズマリー
5日程度 10~15℃ バジル
3日程度 5~7℃ レモンバーム、チャービル、イタリアンパセリ、ルッコラ、パクチー、オレガノ、スペアミント、セージ

 

理想的な保管方法は冷蔵庫

10~15℃が理想的なバジル以外は、冷蔵庫に入れることになります。

香子
香子
バジルは涼しい季節は外で保管してもOK。密閉容器に入れるか、水を入れたコップに指して保管も

冷蔵庫で保存するときのコツは次の4つです。とはいえ、早めに使い切るのがよいですね。

【冷蔵庫で保存するとき】

  • 洗った水気は取ってから冷蔵庫に入れる。
  • 冷蔵庫の中で直接、風が当たらないようにする。
  • ビニール袋や密封できる容器に入れる。切り口を湿らせたティッシュなどで巻いておくのでもOK。
  • できれば立ててあげる(生きていた時みたく)のが理想的。

 

ドライ・スパイスの賞味期限、保存方法

ドライスパイスは、乾燥させたスパイスですので腐ることはありません。でも、香りを楽しむことができる期間には限りがあります。そしてそれは正しく保管できるかによって変わってきます。

また、ドライスパイスの種類(ホール(原形)とホールを粉末化したパウダー)によっても違います。

賞味期限はホールなら年単位

スパイスの瓶やビニール袋などパッケージには、賞味期限が設定されています。ドライスパイスは、そもそも腐らないので、この場合の賞味期限とは「香りの鮮度」を指しています。

そして香りの持ちは、パウダーとホール(原形)スパイスで違っています。市販のものに設定されている賞味期限はそれぞれ次の通りと言われています。

  • パウダーだと1~2年程度
  • ホールだと2~3年程度

 

香子
香子
ただしこれは未開封の時のお話です。

 

スパイスの4つの敵!

スパイスの瓶などには賞味期限が書いてあります。でも、これは未開封の状態での期限です。

一度開封して、スパイスの劣化を進める次の4つの敵にさらせば、設定されてる賞味期限よりも速いスピードで賞味期限は切れてしまいます。

ネパール人夫ラム
ネパール人夫ラム
なので、この4つを覚えておくのはとても重要

 

【スパイスが弱い4つのもの】

熱、空気、湿気、紫外線

 

 

 

香子
香子
ちなみに、未開封でもこのファクターにさらせば劣化は速く進みます。

 

ネパール人夫ラム
ネパール人夫ラム
そして、この3つからスパイスを守れれば、実は5年くらいは問題ありませんよ!

では、理想的な保管方法を見ていきます。

スパイス保管によい「容器」と「保管場所」とは?

先の3つのスパイスの敵からスパイスを守るためには容器と保存場所に気を付ける必要があります。まずは容器、そして保管場所を見ていきます。

理想的な容器はまずはフタ!

容器は湿気、空気と紫外線からスパイスを守ってくれる必要があります。なので、次のようなものが理想的。

  • フタがちゃんと閉まるもの
  • ある程度、遮光性のある容器

フタがしっかり閉まっていれば、湿気と香り成分の揮発を防いでくれます。

スパイスの香りの元は多くが揮発性のオイルなので、空気に触れたままでは香りが空気中に逃げてしまいます。

また、神経質になる必要はありませんが、透明なオシャレなガラス容器で直射日光が差し込むような容器よりは、少し曇りガラスのような加工が施されたものがベターです。

 

ネパール人夫ラム
ネパール人夫ラム
ネパールでは、どの家庭でもこんな容器でフタをして保存しています。

理想的な保管場所は暗がり

続いて理想的な場所ですが、紫外線や熱を防ぐためには‥‥こんなところ。

【理想的な保管場所】

  • 冷暗所
  • 温度変化のない場所

具体的には、台所の棚の中ですね。

 

でも、スパイスは調理に使うので、ついつい次のことをやってしまいがちです。でも、どちらも熱や紫外線でスパイスの劣化を進めてしまいます。

【ダメな保管場所】

  • コンロの側
  • オーブンや炊飯器の側
  • 窓際
  • シンクの下

調理に使いやすいからといってコンロのすぐ側に置くのはよくありません。コンロ周辺は火の熱で非常に高温になります。

また、冷暗といってもシンクの下は夏場は湿気が溜まりますので、ここも好ましくありません。

では、外、と言っても炊飯器とかガス台のすぐ側とかは温度の変化が激しいし、熱くなることも多いので向いてません。

結構難しいw

よくオシャレなスパイスラックがありますが、それも日当たりの良い所に置くのはご法度。家の中でも直射日光の当たらないところに置きませう!

 

日常使いするものとストックは別保管がおススメ

ネパール人夫ラム
ネパール人夫ラム
うちでは日常使い分を小分けして、コンロより高いところに棚を作っておいてます。直射日光に当たらないよう、ビンは横にしてフタを表に向かせてます。

 

香子
香子
多い量を購入したときは、普段使う量だけ小分けして調理台の近くにキープして、残りは別途、密閉容器に入れて棚の中に閉まってます。

【冷蔵庫や冷凍庫で保存】
冷蔵庫や冷凍庫で保存するのも適しています。ただ注意なのは、使うとき。

取り出すと容器は冷えています。フタを開けたままにしておけば外気との温度差で容器の内側が結露する可能性があります。避けるためにフタをしっかり閉めるようにしましょう。

また冷凍するときは空気を抜いておいた方がベター。空気に触れたままだとスパイスの劣化委のもとになるし、空気中の水分が霜になることもあります。空気が抜ききれないなら、冷蔵庫や冷凍庫での保存は避けた方がよいです。

 

 

調理中にガス台の近くに置いちゃうのはやりがちなミス

普段の保管だけじゃなくて、スパイスの劣化を進めてしまう調理中の行為にも注意が必要です。

【ついして今いそうなダメな調理中の行為】

  • 調理台(火)のすぐ横に置く
  • 容器から直接、調理中の鍋に振りかける、入れる

どちらも、つい、しがちなミスですが、
シンプルな方法で、防ぐことができますよ! それは‥‥

調理を始める前に、小皿に使う分のスパイスを用意しておくこと!

 

 

スパイスカレーの場合は、火加減がキーとなるので段取りよく進める必要があります。なので、途中で火を止めないで済むよう他の具材もすべて一緒に準備してしまえば調理に集中できます。

賞味期限切れも香り高く使うテクニック

ドライスパイスは、そもそも腐ることはないので、賞味期限が切れたとしても使うことはできます。(カビたり、虫がついていなければ…)ただし、スパイスを使う目的である「香り」が、飛んでしまっている可能性はあります。

その場合は、量を増やして使ったり、乾煎りしてから使えばよいです。

スパイスの乾煎りは、パウダーでも可能です。鍋にスパイスパウダーを入れて中火などで加熱するだけ。香りが立ってきたらOK。

 

あとがき

せっかくそろえたスパイスやハーブを新鮮に保って、料理やドリンクに生かすためには正しい保存方法を知ってるのと知らないのでは大違い。

上手に保管して、効果的に使っていきたいですね。

それでは、また!