ブログご訪問ありがとうございます。スパイス香子です。ネパール人の夫と結婚して以来スパイスを使わない日がない生活を送るわたしからスパイス情報をお届けしております。
シナモンは日本では最も人気のあるスパイスの一つではないでしょうか?焼き菓子だけでなく、カプチーノなどのホットドリンクにもよく使われています。甘く美味しい香りが魅力的ですが、それだけでなく健康効果もいろいろあり、スーパーフードと呼べる存在です。
【シナモン効能】スーパーフード!血行促進で美肌、血糖値改善、ダイエットに。でも、過剰摂取は注意して!|スパイス香子の医食同源 (setyukoblog.com)
反面、過剰摂取すれば危険を伴います。この記事ではスパイスの副反応についてご紹介します。
セイロンシナモンとカシアシナモン
実はシナモンにはトゥルー(セイロン)シナモンとカシアシナモンがあります。
下の写真のように薄い皮みたいなのがセイロンシナモン。この記事のトップ画像のように厚手のものカシアシナモンです。
シナモンパウダーはほとんどカシアを使っていると言われます。
クマリンの肝臓ダメージのリスク
クマリン濃度が異なります。カシアシナモンの方がぐぐーっと多いんですよ。次の数字を見てみてください!
クマリン含有量の違い
- セイロンシナモン:平均13.7ppm
- カシア:平均3257.5ppm
※ppmは、”mg/L”に置き換えることができます。
クマリンのガン誘発リスク
こちらもカシアシナモンが多く含むクマリンが原因です。
動物実験の範囲でしか確認されていない肺、肝臓、腎臓など一部のガンリスクを高めることが確認されています。
シナモン副作用でアレルギー症状のリスク
クマリン以外にもシナモンの香りはシナモアルデヒドという成分によってつくられています。シナモンのツンとくる刺激的な香りの元の成分ですが、これがアレルゲンになって口内などにアレルギー反応を引き起こすことがあります。
- 口内炎
- ひりひりした痛み
- 歯茎や舌の腫れ
少量だと起きないけど、多量にシナモンを摂ると起きることもあります。人によってはシナモン風味のガムでも危ないようなので、注意しながら摂るのがよさそうですね。
シナモン摂取で血糖値が下がる
血糖値の高いヒトには朗報かもしれません。シナモンは血糖値を下げる効果が期待されます。インスリンに似た働きをして血液から糖分を排除する働きが確認されています。
でも、糖尿のケがあって血糖値を下げる薬を飲んでいる人は注意が必要です!薬ですでに抑えられている血糖値が、シナモン多量摂取で余計に下げられる可能性があります。
シナモンは1日小さじ1未満にすること
では、カシアシナモンはどのくらいまでが安全な量なんでしょうか。
health lineによれば、1日小さじは超えないことが肝心そうです。
なお、東京都もシナモンによるクマリンの摂取量について記事を出していて、シナモンを使った食品におけるクマリン摂取量目安を次のように紹介しています。
シナモンを振りかけたトースト(シナモン摂取量として 0.4g)、コーヒー(同 0.05g)、紅茶(チャイ)(同 0.05g)、デザート(同 0.2g)、及びシナモンクッキー40g を摂ると仮定した場合、クマリンの総摂取量は 2.45mg となり、TDI 値を下回ることになる。
シナモンのサプリメントや精油は特に注意が必要
ふつうに料理のレシピに従ってシナモンを使う場合は、レシピは通常複数人用の量でシナモンが多くて小さじ1杯程度が設定されているので、一人当たりで考えると一つまみ程度になることが多いはずです。
でも、サプリメントはエキスが凝縮されてるため、必ず説明書にある摂取量を守る必要がありますし、サプリメント以外の食品からクマリンを摂っている可能性もあることを考えると注意が必要です。
フランスの例ですが、最近(2021年5月)では、フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)がクッキーやケーキ、ソーセージなどの食品から、フランス人は平均してクマリン摂取推奨量の20%をすでに摂っている可能性があると発表してます。
薬を飲んでいるヒトや持病をお持ちの方ははお医者様の指示のもとで摂ることが望ましいです。
シナモンのサプリメントを1週間飲んだ73歳の女性が、嘔吐、下痢を伴う腹痛を訴えた事例があります。この女性はスタチンというコレストロールを下げる薬をその前から飲んでいたそうで、シナモンのサプリメントとこの薬の併用が原因だったと考えられました。
実は、ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR:Bundesinstitut fur Risikobewertung)はシナモン過剰摂取による健康被害をレポートしており、食品ではなく医薬品として規制すべきと提唱しています。
シナモンカプセルの推奨量を摂取した場合、欧州食品安全機関(EFSA) によるクマリンのTDI(耐用1日摂取量)0.1 mg/kg/日を超える。
また、シナモンには抗菌作用があるからといって、エッセンシャルオイル経口したりしないようにしましょう!シナモンの香りの元のシナモアルデヒドには、皮膚アレルギーや口内炎を引き起こす要素がありますので注意が必要です。
参考)PubMed
妊婦さんはシナモンに注意が必要
シナモンが含む他の成分シナモンアルデヒドは、妊婦が摂取した場合リスクとなる可能性が言われています。
ある動物を使った研究結果では、妊娠中のシナモンアルデヒドの摂取が胎児に危害を与える可能性があることを示唆されています。
参考)内閣府
あとがき
シナモン。スーパーフードで美肌にも!とご紹介したりしていますが、やっぱり中庸の精神は大事。なんでもほどほどが大切です。
特に何かお薬を飲んでいる方は、注意してシナモンの甘い香りを楽しんでください!
それでは、また!