効果的にスパイスから香りを引き出すためには、適切に使う必要があります。
それは、精油の含まれている細胞を壊すこと。どうやって香りを引き出すのがよいのかご紹介していきます。
香りの正体は精油(エッセンシャルオイル)
スパイスは何を目的に使いますか?
だいたいの場合「香り」ですよね。 シナモンの甘い香り、胡椒の食欲をそそる香り‥‥それこそがスパイスを使う真骨頂!
(香り成分の非常に少ないスパイスもありますが)
では、その香りは何から来ているのか‥‥スパイスから来てるんですが、ミクロな感じで考えていくと‥それはスパイスの元になってる植物の細胞の中。の中の、オイル。精油です。
エッセンシャルオイル(精油)は、植物の葉っぱ、茎、根っこ、樹皮、種子などにある細胞の中に含まれています。細胞が壊れて放出されると、香ります。精油は揮発性なので大気中に発散されると香りを放つんですね。
香りを放たせる加熱
細胞を壊す方法の一つとして加熱があります。
熱を加えると細胞は壊れ精油が放出されます。
オイルに香りを移す
調に使う油を熱するときに、クミンやシナモン、ブラウンマスタードなどホールスパイスを入れて弱火でじっくり加熱します。
油溶性の精油成分の特性を利用する方法です。加熱することでさらに溶け出しやすなり香りが油に抽出されます。
乾煎りする
ゴマやクミンシード、マスタードシードなどホールスパイスは油を入れずに煎って熱することでスパイスの香りを強めることができます。
このテクニックはミルで擦る前に行うのも効果的です。
さて、調理するとき加熱することが多いのでおのずと香りは引き出されますが、効果的に引き出すために調理前にひと手間かけるのがベター。その方法を次ではご紹介します。
スパイスの香りを引き出す方法7つ
調理をする前に、精油成分が発生しやすくします。細胞を壊して空気に触れさせる方法として7つの方法があります
つぶす
フレッシュなグリーンペパーやコリアンダーシードなど、もろいスパイスは指の腹でつぶして砕くことで、香りを立たせることができます。
フレッシュハーブ系はすり鉢やボウルなどで、つぶすようにすると香りがぱーっと出てきます。
瓶の底など硬いもので砕く
ニンニクを刻む前に包丁の表面でつぶしますよね。あれはニンニクの精油成分を引き出しているんですね。少し硬めのスパイス、例えばコショウなどは、瓶の底など硬いもので押しつぶすとよいです。
スパイスクラッシャーやすり鉢があれば、もちろんそれもOK。
パウダーにしないとも、粗めにクラッシュしたものを使うと、食べるとき口の中でスパイスの香りが強く広がります。
ちぎる
ローリエなどの木の葉は、調理で使う前に手で切込みを入れると香りが立ちやすくなります。
種を出す
バニラやカルダモンなど、さやごとスパイスとして流通してるものの、香りは種にあるものは、さやから出すか、切込みを入れて使います。
叩く
ハーブ系スパイス、例えばミントなど小さな葉は、手のひらで叩いて香りを立たせて使います。包丁の背でたたいて繊維をつぶすのもよいです。
挽く
粗挽きコショウはこの代表。ミル機能の付いた瓶で販売されたりもしていますよね。ホールスパイスはミルで挽いて使うものが多いです。
パウダースパイスは、あらかじめ挽いたものが流通しているものですが、使う直前に挽いた方が香りが立ちます。
すりおろす
ワサビやダイコンはすり下ろして使います。
これは加水分解によって辛み成分を引き出しているんですね。この場合、香りではなくて辛味ですが、ニンニクやショウガをすりおろすと精油成分がきっちり破壊されて香りが強く出ます。
あとがき
なんでニンニクはつぶしてから刻むのかなーと思ってたんですよね、その昔。
なお、加熱はスパイスの香りを前面に出す一つの方法ですが、一方で精油は熱に弱い部分も多いです。したがって一概に熱を加えればいいというモノでもないのが難しいところ。加熱との関係は、調理のタイミングとの関係になるので、下記にまとめてあります。
それでは、また!